【ルーシーダットンの歴史〜発祥から繁栄まで】ルーシーダットンは、タイの伝統的な健康法の一つです。ルーシーダットンの発祥は、仏陀の時代、およそ今から2500年前まで遡ることができます。遠い昔から今に至るまで、様々な影響を受けながら、受け継がれてきたルーシーダットン。健康はいつの時代も、人間にとって最も大切、と言ってもいいかもしれません。
釈迦の時代に活躍した修行者がルーツ
仏陀が生まれ、悟りを開こうと修行を積んでいたのは、今からおよそ2500年前といわれています。その頃、仏陀以外にも、悟りを開く為に修行をする人たちが、多くいたようです。ルーシーダットンのルーシーとは、古いタイ語で「修行を積む人」「仙人」という意味を持ちます。 仏教では瞑想という重要な修行があります。何時間も、場合によっては何日も、同じ姿勢で座り続けることもあったようです。たとえ仙人といえども、身体にコリが生じたのでしょう。そこで編み出されたのが、仙人体操と呼ばれる、ルーシーダットンだと言われています。 ルーシーダットンとは、もともと座りっぱなしで血行が悪くなり、凝り固まった筋肉を、効率よく解すための運動だったのですね。
タイに仏教と共にやってきたルーシーダットン
仙人たちが活躍した仏教が生まれたのは、今のインドに当たります。紀元前268−232年頃に在位していたといわれる、インドの王様、アショーカ王は仏教を保護し、広めたことで有名です。このアショーカ王の布教で、タイに仏教が広まったといわれています。恐らく、ルーシーダットンも仏教と共に、タイに入ってきたのではないでしょうか。
ルーシーダットンの繁栄
13世紀に始まったスコータイ王朝の時代は、タイで仏教が盛んになった時代でもあり、仏教の黄金期とも呼ばれています。この頃から、タイ方医学、またはタイ伝統医学と呼ばれる、東洋医学での治療が行われていたようです。タイマッサージやタイの薬草を用いた治療が、文献等で見られることから、ルーシーダットンも人々の健康に役立っていたのかもしれません。 この後、近隣諸国との戦争によって、タイ方医学の資料などが失われることもありましたが、18世紀、現タイ王朝のラタナコーシン時代に入り、王様のラマ1世や3世が、タイ方医学を整えて行きます。特にラマ3世は、それまで位の高い人々の為に用いられていた医学を、一般の人々にも広めようと、努力をした王様でした。ルーシーダットンのポーズを決めている、有名なワット・ポーの仙人像は、この時代に作られたようです。

